心臓は全身や肺から戻ってきた血液を受け止める「心房」という部屋と、全身や肺に血液を送り出す「心室」という部屋に分かれています。
心房細動とはこの「心房」が細かく震えるように動く事で、脈が不規則で速くなる病気です。
脈が速くなる事で動悸を感じることがあります。
脈が速い状態が長期間続くと心臓が疲れ、息切れやむくみなどの心不全症状が現れる事があります。
症状はありませんが、震えた心房の中で血流が低下し血栓と呼ばれる血の塊ができる事があります。
この血栓が剥がれて脳に飛ぶと脳梗塞を起こし、麻痺や意識障害などの深刻な症状につながる可能性があります。
心房細動が続いている時は心電図で診断できます。症状がある場合は早めに受診してください。
心房細動が出たり止まったりを繰り返す方には「24時間ホルター型心電図」で診断できる事があります。
また、ご自身で脈を観察する「検脈」やスマートウォッチも診断の手がかりになります。
血液検査や胸部レントゲン写真、心臓超音波検査で心不全の有無や、脳梗塞予防の必要性を判断します。
◆ 脳梗塞予防の薬 ◆
次の条件に当てはまる方は脳梗塞のリスクが高いため、血液をサラサラにする薬(抗凝固薬)が必要です。
・75歳以上の方
・心不全がある方
・高血圧症の方
・糖尿病の方
・脳梗塞の既往がある方
※心房細動が常にある方だけでなく、出たり止まったりする方も服用が必要です。
◆ 薬物療法 ◆
発症時期や心不全の有無などを考慮して、心房細動を止める薬や心拍数を抑える薬を使用します。
◆ カテーテル治療 ◆
薬での治療で症状が改善しない場合や、ご希望に応じて、大学病院でのカテーテルアブレーションをご紹介します。