心臓は血液を送り出すポンプの役割をしています。全身から心臓に戻ってきた血液は右心系(右心房、右心室)に入り肺に送り出されます。肺で血液中の酸素と二酸化炭素を交換しキレイになった血液は、左心系(左心房、左心室)から全身に送りだされ、全身の細胞に酸素と栄養を届けます。心不全とは多種多様の原因によりそのポンプ機能がうまくいかない状態を言います。
心臓のポンプ機能に問題があると(心不全になると)送り出されなかった血液が渋滞を起こす「うっ血」と呼ばれる症状や、重症化すると血液が臓器に届かない「低心拍出」と呼ばれる症状が出ます。
具体的には肺の血管内のうっ血により息切れや呼吸困難、ゼーゼーする、座っていられるが横になると苦しいなどの症状や、全身の血管内のうっ血により手足や顔のむくみ、体重増加などの症状が出ます。
症状や診察の結果、心不全を疑った場合には胸部レントゲン写真、心電図、血液検査、心臓超音波検査などで診断をつけていきます。
体の中の酸素の数値が低かったり、精密検査や点滴での治療が必要な方は近隣の病院に紹介させて頂きます。
◆ 日常生活での注意点 ◆
塩分を控える事が心不全治療の基本です。具体的には1日の塩分摂取量を6gまでにする事がガイドラインにも明記されています。漬物や梅干し、味噌汁など日本人が良く食べる食事には塩分が多く含まれているので日常的に摂るのは控えましょう。外食も塩分が強い事が多いので注意が必要です。また、体重測定をする事で塩分の摂りすぎがないかを日々チェックする事も非常に大切です。
◆ 薬物療法 ◆
心臓超音波検査の結果などに応じて、お薬を選択していきます。
◆ 原因に応じた治療 ◆
心不全の原因に対する治療も重要です。
虚血性心疾患や弁膜症、不整脈など専門治療が必要な方は大学病院などに紹介させて頂きます。